ピーマンを食べられるようになった日

2019年2月11日

小さい頃からとにかく、ピーマンが嫌いだった。
あの匂い、食感、何よりあの苦さ・・・

それは大学生になっても克服できず、私は一生、ピーマンが食べられないものだと思っていた。それでも別に困らないしー

それがある日を境に、全く平気になってしまったのだ。

先ほどの記事を書いていたら久しぶりに思い出したので、寝るのをもう少し延ばすことにした・・・

大学4年生を終えた春休み、大学院への進学が決まっていた私は、かねてから行きたいと思っていたカナダのバンクーバーへ1ヶ月間短期留学をした。

毎日朝から夕方まで英語の学校へ通う、比較的ハードなコースだった。

初めてのカナダ、長期滞在・・・ホストファミリーに空港で出会うときはドキドキだった。

バンクーバーで自分の名前を持ったホストファミリーを見つけたときはそれはうれしかった。優しそうな老夫婦。実際、このご夫婦はとても優しく、おかげで私の留学生活はとっても快適で充実したものになった。

空港から家に向かう車中、奥さんが私に聞いてきた。

「今夜はあなたの歓迎会ね。腕をふるって食事をつくるつもりなの。何か嫌いなものはある?」

私は即座に

「ピーマン!(英語でもこの発音で)」

と答えたが、どうやらピーマンが通じない・・・
え?ピーマンって英語じゃないの?
困った・・・(当時電子辞書なんて持ってないし

でもまあ、いいか、と思い直し、「特にありません」と答えてその場は終了。

そして、夕方まで部屋で休んでいるとお食事ができたという声が。

ウキウキしてテーブルにつくと・・・

なんと、そこには色とりどりの奇麗なピーマン(パプリカ)のサラダがどどーん

私がサラダをみながら「こ、これはなんですか?」と聞くと、奥さんはにっこりと「These are peppers!」と答えてくれた。

そっかー、ペッパーだったのかーーーー

凍り付く表情を悟られないよう、必死で笑顔を作る私・・・

たんと召し上がれ!とにこやかに私を見つめるお二人・・・

えーい、初日に印象悪くしちゃ、1ヶ月どうするんだ
ピーマンくらい食べないと女がすたる

自分を奮い立たすこと0.2秒。にこやかにサラダをいただいた。

思ったより、大丈夫だった。
奥さんがものすごく料理上手だったということも幸いした。

それ以来、私はピーマンが食べられるようになり、息子にも「おかーさんは好き嫌いがないのよ!」と胸をはって言えるようになったのだ。

このご夫婦には留学のこともあるけれど、ピーマンのことではいくら感謝してもしきれない。

今頃どうしているかなー
当時メールもなかったので、いつの間にか連絡が途絶えてしまった。
今だったら帰国後もFacebookなんかでつながれるんだろうな。