見守り、委ねる
初詣に行った際、たくさんのお守りや絵馬をみてむかーしむかしの受験生活のことを久しぶりに思い出した。
第2次ベビーブーム世代の中学、高校、大学と受験を経験した私の思い出は、どちらかというといい思い出とはいえないかな。
中学受験は私立2校合格の上で臨んだ本命・・・不合格。
合格発表を見に行ってきた母親が帰宅時にため息まじりに「だめだったよ・・」と言って無言になってしまった光景をまだ覚えている。
私はすぐに受け入れられなかったのと、母親が落ち込んでいるから私まで落ち込んではいけないな、と子供心に思ったこともあり、「ふーん、そっか」と平静を装っていた。
それが裏目に出たのか、ひょうひょうとしていた私の態度が気に入らなかったらしく、その後お説教をくらった
私立だとどんなにお金がかかるのか、これまでどんなに苦労して塾にいかせてあげたのか・・・
今思えば、そのとおりのことだったのだろうけど、ちょっとね、悲しかったなぁ。
しかし、私は本当に運がいいというか・・・後日補欠合格の知らせが。
母親には「みんなには絶対に補欠合格したなんていっちゃだめだよ」と何度も言われ、「そっか。私はこの中でビリの成績だったから一番頭が悪いんだなぁ」なんて、なんとなく後ろめたい気持ちをもちながら入学式に出席したことも印象的だった。
そんなこともあり、中学入学早々から、高校受験のことを毎日のように口酸っぱく言われ続けた3年間。
その中学は、高校へは内申の成績と実際の試験成績で入学できる、ということがあって高校への合格率は半分程度。
親からしたら、ビリから半分以上にあがらせないと、ということで焦っていたのだろう。
部活動の禁止令が出て、とても寂しい思いをしたな・・・
バレー部に入りたかったなぁ。
2年生から、親を拝み倒して体育系ではないということで妥協してもらい、吹奏楽部に入れたのがやっとだった。
中学の成績も特にパッとしなかったけど、3年生の内申に影響しやすい時期のテストで奇跡的に上位に入り、高校受験はありがたく合格することができた。
ただ、高校に入ると同時に両親がかねてから会社経由で購入していた土地に家を建てた関係で東京→茨城に引っ越し。
私は毎日2時間かけて高校へ通った。朝5時に起きて学校へ行き、部活動の朝練をしてから授業。放課後は塾で帰宅は10時過ぎ・・・あはは、体力あってよかったぁ。
それでも、絶対に私立にはいかせない、浪人はだめ、その言葉は毎日のように聞かされていた。
ボディブローのようなプレッシャーは、基本楽観的な私にも次第に効いてきて、一時期は「私は受験に失敗したらきっと生きる意味がないんだ・・・」とまで考え込んでしまったこともあった。
最後のほうにはちょっと意地になって、「どうせ私立に行けないのなら滑り止めなんて受けても無駄だし、一つしか受けないから」と願書は一校にしか出さなかった。
志望校は直前の模試でもE判定という、無謀な挑戦だった。
当然、前期試験では、全然手応えもなく不合格。
後期試験までのたしか2週間くらいあったと思うのだけど、その時の家の暗さといったら、なかったなぁ。
母親は5分に1回ため息をつき、ことあるごとに「浪人するとこれだけお金がかかるんだから」といわれ・・・
ま、後期の競争率はかなりの倍率だから仕方ないのだけどね。
私はあきらめるというより、むしろ論文のテーマはこれが出るに違いない!と何故か決めつけていて図書館でそのテーマばかり調べていた。
・・・後期試験、論文のテーマはバッチリあたった・・・
そして他の科目も直前に解いたり練習したりしたものばかりで、久しぶりに手応えのある試験だった。
そして、奇跡的に合格。
この一連の体験は少し前までは、私にとって「よくない思い出」であり、両親、特に母親に対していろんな感情を抱く根源のようなものになっていたのだけど、先日受験のことを思い出して、その体験の捉え方が全く変わっていることに気がついた。
これは、私にとって、見守る、委ねることの大切さ、いや、それがベストなんだ、ということを教えてくれる素晴らしい体験だったのだな、と。
今は、毎日暗いうちに起きてお弁当を作り、駅まで送ってくれた母親に、何度も不本意な扱いを受けたのに愚痴も言わず勤め上げ、私を大学院までだしてくれた父親に、ただただ感謝の気持ちだけしか残っていない。
委ねる・・・よく言われていることだけど、自分や、特に身近な人に対して実践することは難しかったりする。
息子は歩くのも、話すのも遅かったし、今でも同じ年代の子と比べた場合、できないことがたくさんある。
でも、私の根底には「比較することは意味がない」という力強い確信があったので、周りがなんといおうとも、あまり気にしないでこれた。
(気にするフリはしたけれどね・・)
それは、このような私のいろんな体験から学んだことであり、だからこそ、はっきりとそのときの感情を思い出せるのだろう。
そんな息子は、いろんなことをちゃんと帳尻を合わせるようにできるようになってきている。
主人の皮膚の病気も未だに平行線だけど、私が明るく見守ろう、と決めてから主人自身の態度が変わってきている・・・ような気がする。
その人の力を信じて、見守ってあげること、そしてその人が意識的、無意識的に選択してきたことを尊重し、委ねてあげることは口うるさくいうよりきっと難しい。
きっと、これからたくさんの変化があり、そういう場面に遭遇すると思うけど、明るく、あたたかく、見守り、委ね、精一杯のエールを送り続けたいと思う。
いやぁ、また長くなってしまった・・
読んでくださってありがとうございます。
ディスカッション
コメント一覧
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Miyoさんの 見守り、委ねる という
この記事に いま出会えたことに
すごくすごく 心いっぱいに
波立つような 感謝があふれています。
丁度 この春から高校3年生になる
娘の大学受験について・・・
このところ パパと毎日のようにいろいろ
話していたよつば・・・
すごくすごく 救われています。
先を見すぎて 今にこだわりすぎる
親としての立場だけしかない
自分の狭すぎる心のありかたに 息苦しさを
感じていた ところでした。
そしてMiyoさんの頑張ってこられた確かな日々に確信的なことを感じていたよつば、
納得であります<m(__)m>
いまのMiyoさんは 中学いえ
小学校のころから ずっとずっと がんばって
こられて 蓄えられたパワーと
しっかりとした教育を財産・糧としていらっしゃる
ことが分かり 素敵だと思います<m(__)m>
ご両親の愛・・・Miyoさんのご努力
何ものにも変えられない 宝物ですね!
とても 心に響きました<m(__)m>
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Miyoさんのブログを読んで、胸がいっぱいになりました。
Miyoさんと娘は違うかもしれないけど、もう少し志望校のボーダーの点数まで足りてなさそうな娘も、大丈夫かも希望が見えてきます。
直前までE判定の話、早速娘に話しますね。
私も見守り、委ねて、結果を全て受け入れようと思います。
今日も素敵なお話、ありがとう^^
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もう記事を読みながら、Miyoさんの中にあるものが、浄化される最終段階に入っているのかなぁ…と、つくづく感じました。
私の場合、まだ、もがいている感があります(笑)ゆっくりでいいので、見守り、委ねていこうと思います。イエ~イ!
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>よつばさん、こんにちは!
長文におつきあいいただき、ありがとうございます。
私は受験生という子供の立場は体験しましたが、受験生の親、という立場はまだです。
なので、あくまでも私の子供の立場で感じたこと・・・その視点の体験になります。
現実としてたくさんの細かな課題やハードルをこなしていかなければならない、しかも生活や未来を見据えて・・・この親の視点で考えたとき、やはりそれぞれ考えることがあるのは当然と思います。
ただ、私とこうやってご縁をいただいている皆様はすでにとても上手にお子さん達と接しており、充分に見守ってあげられている、そう感じています。
娘さんもこの1年、たくさんの選択をすることになるかもしれませんが、よつばさんとパパさんなら娘さんのことを尊重しながらベストな選択を後押ししてあげられると確信しています。
やさしくあたたかく読んでくださり、ありがとうございます。
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>ロビンさん、こんにちは!
長文におつきあいいただき、ありがとうございます。
私の場合は、あまりにも邪道というか、なんというか、変な経緯をたどっておりますので参考になるかわからないのですが・・
一つ私が当時の経験からいえるのは、娘さんの選択をよりそって理解し、後押ししてくれる一番の存在は母親だなぁということです。
ロビンさんはすでにとても素敵な関係を娘さんと築いていらっしゃいますし、娘さんはきっと人生の中でベストな選択をなさっていくと思います。
ただ、やはりいろいろありますから、迷うこともわからないこともあるでしょう。
手堅い選択をすることもあるかもしれません。
でもどんな選択であれ、娘さん自身が本気で、本心から選択なさったことであればそれがベストなのだと思うのです。
私は長い間、どこかで「自分は選択する余地がなかった」と思い込んでいたために、随分葛藤しました。
なので、娘さんが選択に迷っったその時は、そっと力になってあげてくださいね。
すみません、偉そうに・・
ロビンさん親子なら何の心配もないと思います。
遠くから、応援しています☆
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>きょうこさん、こんにちは!
今年もどうぞよろしくお願いいたします☆
そうですねぇ、書いていてここらへん、実は自分の本心がどうだったか、両親への葛藤・・いろんなものが詰まっている経験だったことに気がつきました。
おっしゃるとおり・・書きながらもなんの葛藤もでてきませんでしたし、恨みというか、残念な気持ちもなく、ただただ感謝の気持ちがでてきたことに・・正直自分でも驚いていたくらいです。
うーん、浄化されたのかなぁ。よくわかりませんが、そのほうがスッキリするのでそういうことにします!
きっと、全部が全部奇麗になったら・・見えなくなっちゃうと思いますよーなんて。
ゆっくり、お互いのペースで楽しんできましょうね!イエーイ☆
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とってもよくわかるような気がします(笑)。
大学院まで行かれているような優秀なMiyoさんとはレベルが違いますが、私も中学の頃までは、成績が良いと誉められ、成績が悪いと責められるという単純な環境で育ちました。競争社会を生き抜いてきた両親の世代の方にありがちな感じです。
母の姉は、娘3姉妹が、阪大、広大、神戸女学院で一時期とても威張って教育論を語っていましたが、その後は娘たちも宗教、離婚、病気などなど色々あり、オバはすっかり大人しくなられました(笑)。
今、オバが娘たちのことで悩んでいる理由が分かりません。3姉妹は今でも優秀だし、魅力的です。
全ては通過点だというのが分からないと、『比較』という荒波に自ら出ていき苦しむことになります。長い目でみると『ある時点』の比較なんて本当に意味がないことだと強く思います。
今は『立派な(笑)』私の弟も小学生の高学年になってもおねしょしてました。
本当に比較はエネルギーの無駄使いですね。
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>さやこさん、こんにちは!
長文におつきあいいただき、ありがとうございます。
うちの両親は二人とも高卒で、特に父親は学歴故に出世に制限があり、とても悔しい思いをしたらしいです。
その父をみているせいか、母親も必要以上に熱心になったのでしょう。
私は結局大学院までだしてもらっておきながら小さな会社に就職しましたが、そのときの母親の落胆ぶりはなかったですね・・
ただ、その後だんだんと私がノビノビしていることに嬉しくなったのか、母親も随分変わったように思います。
今は、母の弟のところが比較世界にどっぷりです。キャリアウーマンとなった姪をいつも自慢されているらしいですが、母親も可愛い孫がいるせいか、なんとも思ってないみたいです。
人はそれぞれ、いつか、自分にあったカタチで気づく時がくるのでしょうね。
そこを理解して人に接すれば、やはり自分自身が楽になるように思います。
ちなみに・・私は弟さんと同じ区に住んでいますが、本当にはずれのところなので・・たぶん、同じ区を語るのは申し訳ないと思います・・
長くなってしまいましたが、コメントありがとうございます☆
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中学受験から頑張って来られたんですね。二時間かけて高校にも通学され本当にがんばりやさんですね。尊敬します。
本当は辛いことも沢山あったんでしょうね。
でもこうして振り返っておられるmiyoさんはすべてを受け入れ、感謝に変えておらるんですね。
いまのmiyoさんがあるのは、こうした沢山の経験があったからですね。
今、親の立場で受験に向かっています。見守り、委ねて思い出つくりますね。
素敵な記事をありがとうございます。
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>さくらひめさん、こんにちは!
コメントありがとうございます☆
さくらひめさんはすでにお二人の受験生の母親という立場を経験し、そしてこれから三男さん・・
すごいことだと思います。
お正月に主人の実家に帰ったとき、早くも小学受験の話がでていましたが、さくっとスルーしてきました。
子供を信頼して委ねる、といっても、可能性の幅を広げてあげられるのは親の力が大きいですからね。そのバランスは考える以上に難しいことなのだと思うのです。
さくらひめさんのような素敵な先輩に出会えたことが、きっと私のパワーになると思っています。
三男さんの受験、最善の状況になりますよう、遠くからエールを送ります☆
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遅くなりましたが今年もよろしくお願いします♪
私は子供達の受験を通してたくさんの事を学びました。
子供達には計り知れないほどの可能性があり親はそれを信じで見守るということ☆
とても難しいですが…今年は高校、大学と3人の子供達たちの6回目の受験です。
本当はドキドキですが平常心を保ち見守っています。Miyoさんのお母様も同じ気持ちだったと思いますよ。
親って有り難いですよね。
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>マカロンさん、こんにちは!
こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
マカロンさん、6回目なんですねぇ・・・
私はまだ親の立場を体験していませんが、いろいろと想像以上に大変なのだろうと今なら想像できます。
そして、いろいろな感情を体験したけれど、やっぱり親はありがたいなと思いを新たにする今日この頃です。
いよいよセンター試験ですね。
万全の体調で、最善の状況になりますよう、遠くからお祈りしております。